東京都の奥多摩にある氷川屏風岩。奥多摩駅は都心から電車で一本とアクセスが良い。
マルチピッチとして登ることもできる岩場なので、本チャンの練習の岩場として発展してきたようです。
低脂肪
その岩場を代表するルートのひとつが低脂肪5.13-
低脂肪の初登は、草野俊達さんにより1988年3月6日に成された。
その10日後には、平山ユージさんが第2登。
C峰<低脂肪>
ハングドッガーズの草野俊達が昨年秋から通っていたC峰 <イクイノシシ>右のフェースを一九八八年3月6日にテンショ ン・墜落なしでリードした。
岩と雪128号
10メートルでグレード5・12+。難しいのは下半部だけで前傾しており、かつホールドが小さい。プロテクションはボルト三本。ときどき岩が欠けるので注意。3月16日、平山裕示が第二登。
その後も、ハードフリーのルートがフクロウ岩などに拓かれ現在に至る。
氷川の岩質はチャートで、カチッとしていて形状はガチャついている。
最上部に位置するC峰はこの特徴が色濃い。
奥武蔵(埼玉県)にある北川の岩場のツルツルしたチャートとは全く違う。

トライ1日目 20201103 TR
イクイノシシが2日目で登れたので、本命の低脂肪にトライ。
ボルト間隔にビビって、トップロープで。結果的にリードをはじめたのは9日目になってしまいました。
1トライ目は全く何できず。
出だしのガバゾーンと、左手の斜めガバカチまではいけました。が、その後が全然わからない。
右手を薄いガストンカチ、そのさらに右上にポケットが見える。
が、一体どうやってあんな遠くのポケットを取りに行くのか?
足位置を安定するように広げたり、ガバゾーンの右端にあるアンダーカチを右手で持って動こうとしてみたが、結局何もできず1ピン目の位置でおりた。
2トライ目は右手をガストンカチ、右足を顕著な斜めホールドに広げて安定し、左手を斜めガバカチから薄縦カチに寄せ。でも、ここから遠くのポケットへ向かって動き出すことができない。
足位置や右手の保持をこねくり回すも、何もできず。。
いったん諦めてポケットから先にいくことにした。
ここで初めてポケットを触るが、めちゃわるいがな…。
デッドで止まるホールドではないことに少し絶望。動けないガストンホールドを保持して、このポケットを止められる日は来るのだろうか。
ポケットから先はトラバースになり、ホールドと思しきカチがいくつか出てくる。
でも足に乏しく、どのカチも鋭利すぎて痛い。ホールドの存在確認はできたものの、基本的に動くことはままならなかった。
このあたりでホールドに謝り始める。「トライするのが千年早かったです、、、」と。
トラバースポイントから再び登り始めるところは、ガチャッとした縦ホールドが並んでいる。
最後のフレークカチがまた鋭利で、飛びつきたいのに怖くて飛びつけない。ここもスキップした(ポケットから何もできてない)。
ここでようやく2ピン目のクリップポイント。
こんなハードなムーブを連続させてから、クリップするホールドがこれか…。と言いたくなる微妙な保持感のガチャガチャ地帯。
この先は記憶にない。ごぼうで登って最後までワリーと思った気がする。
可能性ゼロで初日を終える。

トライ2日目 20201123 TR
2日目にしてパートナー難民となり、まさかのソロ。
こんな事もあろうかと、一週間前に鷹取山でグリグリを使ったソロクライミングの練習をしておいた。
岩場につくと、男女の若いペアがいた。
こんな岩場に来るなんて奇特な人たちだ。
話してみると、なんと低脂肪をやるとのこと。ソロだとロープをFixしてしまうので、邪魔になってしまう。
恐縮ながら自分も低脂肪をやりたいことを伝える。すると、TRをビレイしてくださると。恐縮です!
話を聞いてみると、私に低脂肪をやりたいと思わせた方の友人とのこと。昨シーズン、この岩場に通っていたそうだ。
結果的に、この出会いは15日間も低脂肪に通う原動力になった。
一緒にトライする仲間がいるので、今日は少しでも進歩できることを期待する。
まずはお二人のトライをガン見。
低脂肪はムーヴを知るのを避けていたので、自分以外の登りは知らない。
すると、、
足をそんなところに!
ポケットにはそう出すの!?
手はそこ?
と新しい発見ばかり。
昨シーズンから触られていたようで、美しい動きでした。
その方のムーブは
ガストンカチをマッチして、ポケットに右手をだす。
左手でポケット左側のがちゃ地帯を保持(わるそう)、
などなど目からウロコでした。
マネっこして、ポケットに右手を出そうとしてみる。
まず手前で縦カチをマッチするのが悪い。
ぶら下がってポケット左側のモニョがちゃ地帯に触れたが、持つところがなにもない。。
恐ろしい人たちと知り合ってしまった。。
と思いつつ、その先のトラバースでは鬼のようにフラッキングするという新たなムーヴの発見があった。(足がツルツルなので滑ると指皮サヨナラ)
結局、ポケットを止めることはできず。
ガストンホールドをマッチして左手を出したり、右手を出したりしたが、どちらも可能性ゼロ。
その先のムーヴもおおよそ理解できたけど、いずれも強度が高いし、トゲトゲした岩が食い込んで指皮の消耗が激しい。
一日楽しく過ごさせていただき、またぜひ一緒にいきましょうということで、連絡先を交換して電車に飛び乗った。
完登の可能性2%くらい。
そういえばアプローチのフィクスロープなど何か所か黄色いロープに変わっていたな。
こんな岩場へのアプローチを整備してくれる優しい地元の方がいるなんて。
(つづく)
アプローチ
アプローチは奥多摩駅から急登を35分ほど。
氷川浄水場の左脇の階段を上がり、山に入ります。
入ってすぐに道が左右に別れますが、どちらでも氷川屏風岩にはたどり着きます。
おすすめは左の尾根ルートです。
理由は3つあり、踏み跡が明瞭なこと、同じような強度がずっと続くので疲れにくいこと、落ち葉が右ルートに比べて少ないことです。でも慣れれば実はどっちも変わらないかも。
右の谷のルートは、シュナラオババの涙をトライする場合には、最短距離です。
右ルートは谷のため暗くなる時間が早い。
どちらのルートでも、低脂肪のあるC峰に行き着くためには【山火事注意】の看板に行き着くのが最初のポイントです。
山火事注意の看板からフィックスロープ沿いに左上に登ると鉄ハシゴがあります。
鉄梯子を登った上から、フィックスロープにそって右へトラバースします。少し足場が細いとことがあるので気をつけてください。
最後に少し下るとC峰のピークに着きます。
落ち着ける場所は少ないですが、ピークの岩場に荷物をおいて準備ができます。
C峰は取り付きまでフィックスロープで降りる必要があります。
高度もあり、簡単ではない下降です。必ずセルフを取るようにしましょう。
フィックスロープは数本あり、うち一本は結び目もなく懸垂にそのまま使えます。
2021年1月にフィックスロープを新しくしておきましたので利用してください。
おすすめの飲食店
朝、お昼は「みすゞ商店」さん
駅前の道路に出て、駅を背にして左側に30mくらいです。
朝早くからやっていて、パンやおにぎりが購入できます。ホッカイロもあるよ。
ビア カフェ バテレ/VERTERE
▶︎HPはこちら
オリジナルのクラフトビールが購入できます。フィッシュアンドチップスなどもあり、お腹もみたせます。
地元への貢献、大事ですよね〜。
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